ワキガ・多汗症(ワキ・手のひら・足のうら)治療
腋臭症(えきしゅうしょう)、いわゆる「ワキガ」とは、ワキから特有のにおいを発する状態のことを指します。人にはエクリン腺とアポクリン腺という2種類の汗腺があります。
エクリン腺は全身の体表面に存在し、サラサラとした汗を分泌します。この汗は99%が水分で、蒸発しやすいので拭き取ればにおいはあまり気になりません。
一方、アポクリン腺はわきの下や陰部、耳の穴など特定の部位に存在し、たんぱく質や脂質を含んでいるベタベタとした汗を分泌します。ワキガの原因となるのは、
アポクリン腺から出るベタベタした汗です。この汗に含まれる皮脂(低級脂肪酸)を体表面の細菌が分解するときに、強いにおいを発します。アポクリン腺は第二次性徴で発達するので、
症状が出るのは主に思春期頃からになります。
ワキは2種類の汗腺により汗と臭いが発生します。
①アポクリン汗腺・・・体臭の元になる汗 ⇒ 臭いの原因
②エクリン汗腺 ・・・体温調整の汗 ⇒ 多汗の原因
アポクリン汗腺から出る特有の悪臭を放つ汗がワキガ(腋臭症)を発生させます。つまり、このアポクリン汗腺を取り除くことでワキガを治療することができるのです。 多汗についてはアポクリン汗腺と合わせて、エクリン汗腺を取り除くことで治療することができます。
ワキガでお悩みか、多汗でお悩みかで選択すべき治療は異なってきます。その度合いによっても適正が分かれますので、まずはカウンセリングでご相談ください。
当院のワキガ・多汗症治療法には4つあります。
1. ワキガ・多汗症手術 イナバ式皮下組織剪除法(せんじょほう)
2. ワキガ・多汗症手術 超音波吸引法
3. ボトックス注射
4. パースピレックス
ワキガ・多汗症治療法
1. イナバ式皮下組織剪除法
この手術はワキの下を3~4㎝切開し、医師が見えるアポクリン線・エクリン線をひとつひとつ丁寧に除去していく方法です。ワキガを根源から除去するため確実に治したい方、
汗と臭いの両方が気になる方におすすめの治療法です。
2. 超音波吸引法
この手術はワキの下の2か所5mm程度を切開し、その部分からアポクリン線を吸引する方法です。切開が最小のためダウンタイムはほとんどありません。ある程度のアポクリン線・
エクリン線の除去が可能です。臭いが特に気になる方におすすめの治療法です。
〈剪除法と超音波吸引法の比較〉
|
超音波イナバ式皮下組織剪除法(せんじょほう) |
超音波吸引法 |
臭い・汗 |
◎ 臭い ◎ 汗 |
○臭い △ 汗 |
切開部位 |
体格に応じて3〜5cm前後
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数ミリ〜1cm程度 2か所
|
ワキ毛の温存率 |
低い (部分的に薄くなるか、部分的に生えなくなる 可能性があります) |
高い (部分的に薄くなるか、部分的に生えなくなる 可能性があります) |
手術時間 |
1時間30分〜2時間程度 |
1時間〜1時間30分程度 |
通院 |
3日目(ドレーン除去) 7日目(固定除去) 14日目(抜糸) |
3日目(固定除去) 7日目(抜糸) 場合により固定方法が変更になる場合もあります。 |
その他 |
●当日よりシャワー可 9日後より全身シャワー可 入浴は抜糸後より可 ●1ヶ月後経過来院 |
●当日よりシャワー可 3日後より全身シャワー可 入浴は抜糸後より可 ●1ヶ月後経過来院 |
費用 |
¥300,000(税別) |
¥350,000(税別) |
料金表はこちら
ボトックス注射
この方法はボトックスをワキや手のひら、足のうらに注射をすることで特に多汗に効果的な治療法です。
汗は、交感神経から汗腺に向けて神経伝達物質(アセチルコリン)が放出されると、刺激を受けて出ます。緊張したり、運動したり辛いものを食べるなどして交感神経の働きが活発になると、アセチルコリンの放出が増えて汗が増えます。ボトックスは汗が出る際に関わる神経伝達物質(アセチルコリン)の放出を抑える作用があり、ボトックスを注射した周辺の汗腺から汗が出なくなるため、多汗症の症状が改善されます。また、汗の量が減ることで、細菌の繁殖が抑えられ、結果ワキや足裏の臭いも改善されます。
ボトックスは多汗症以外に、筋肉の収縮を抑制する作用があります。
多汗症治療をした部分の筋肉が動かなくなってしまうのではないかと心配になりますが、筋肉と汗腺は深さが異なります。当院では解剖をしっかり熟知した院長が治療を行いますので、ご安心下さい。
また、アラガン社製のボトックスはこういった副反応が少ないこともわかっています。
ボトックス多汗症治療の効果は6~12ヶ月ほど続きます。持続期間は、個人差もありますが、注射する皮膚の深さや部位、ボトックスの量などによっても差が出ます。
夏に汗をかきやすい方は、毎年4~6月頃に治療をお受けになると、夏を快適に過ごすことができます。
▶︎ ボトックス注射について
● 料金表一覧 ●
◆ ワキ
軽 度 |
中 度 |
重 度 |
片ワキ15単位/0.6cc・ 両ワキ×2 |
片ワキ20単位/0.8cc・ 両ワキ×2 |
片ワキ25単位/1.0cc・ 両ワキ×2 |
(女性)+生食5.4cc/(男性)+生食6.4cc |
(女性)+生食5.2cc/(男性)+生食6.2cc |
(女性)+生食5.0cc/(男性)+生食6.0cc |
1回目 |
2回目 |
3回目 |
1回目 |
2回目 |
3回目 |
1回目 |
2回目 |
3回目 |
¥88,000 |
¥77,000 |
¥66,000 |
¥110,000 |
¥99,000 |
¥88,000 |
¥132,000 |
¥121,000 |
¥110,000 |
◆ 手のひら・足の裏
軽 度 |
中 度 |
重 度 |
片手のひらまたは片足の裏25単位/1.0cc・ 両手のひらまたは両足の裏×2 |
片手のひらまたは片足の裏32.5単位/1.3cc・ 両手のひらまたは両足の裏×2 |
片手のひらまたは片足の裏37.5単位/1.5cc・ 両手のひらまたは両足の裏×2 |
1回目 |
2回目 |
3回目 |
1回目 |
2回目 |
3回目 |
1回目 |
2回目 |
3回目 |
¥132,000 |
¥121,000 |
¥110,000 |
¥154,000 |
¥143,000 |
¥132,000 |
¥176,000 |
¥165,000 |
¥154,000 |
*手のひらの汗の場合、どの部分が気になるか確認し、Dr.に必要量を確認。
4. パースピレックス
▲パースピレックス 1本 ¥4,400
パースピレックスは塗るだけで汗が抑えられる制汗剤です。
国際的に認められている制汗剤分類(米国FDA)では、製品を「制汗剤」として分類するためには、20%の発汗抑制が得られなければなりません。30%の発汗抑制が得られる場合、
「Extra effective(極めて効果あり)」として分類することが可能となります。パースピレックスの処方(特許取得)では、使用ごとに65%の発汗抑制が72時間以上持続することが
実証されています。市販の制汗剤では同様の抑制効果は得られず、効果の持続は数時間から最大でも24時間となっています。
〈パースピレックスと一般的なデオドラント剤の比較〉
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Perspirex パースピレックス |
一般的な デオドラント剤 |
1回の使用で3〜5日間発汗および臭いを抑制 |
○ |
× |
週にで2〜3回の使用 |
○ |
× |
1本で3ヶ月以上使用できる |
○ |
× |
無香料 |
○ |
× |
衣類に色移りしない |
○ |
× |
日常生活を送りながら制汗できる |
○ |
× |
塩化アルミニウムが汗腺内の水分と反応し、水酸化塩化アルミニウムを生成します。これが皮膚上層の細胞ケラチンとともに汗腺内に栓を形成します。この反応に副産物である塩酸が生成されます。
塩酸は刺激に対して弱い皮膚の部分で炎症や痛みを引き起こすことがありますが、パースピレックスではロールオン式の溶液に乳酸アルミニウムを添加(特許取得)することによってこの問題が
解消されました。乳酸アルミニウムが塩酸と反応することで塩酸が消滅して炎症が軽減されると同時に、制汗作用は増大します。乳酸はNMF成分(天然保湿成分)として知られています。
汗腺の活動は夜間に低下するため、就寝前に腋下に2往復塗布します。望まれる効果が得られるまで(通常1週間以内)毎晩使用してください。敏感肌の場合は、1日おきに2週間塗布します。
その後は週2~3回、または必要に応じて塗布し、汗とニオイのコントロールをします。 よく乾いた、傷のない皮膚に使用し、塗布後は塗布部位が完全に乾くまで衣類を着用しないでください。
必要があれば、塗布する前に扇風機またはヘアードライヤーで皮膚を乾かしてください。翌朝、石鹸と水で洗い流します。塗り直しはしないでください。
使用上の注意
* 剃毛・脱毛後48時間は使用しないでください。
* 目に入れたり、粘膜に触れさせないでください。
* 塗布直後に着用する衣類が、色落ちしてしまう可能性があります。また、宝飾品や貴金属への接触を避けてください。
* まれに、炎症やアレルギー症状を呈することがあります。その場合は使用を止めてください。
* 子供には使用しないでください。
● 料金 ●
パースピレックス/ 1本 ¥4,400